大容量電力需要への対応と、脱炭素化への取り組みを両立。自社での発電設備投資を伴わずに実現した複数拠点へのオフサイトPPA導入
「蓄え、活かす力で、共にサステナブルな社会を創造する」をパーパスに掲げるエナジーウィズ株式会社様。国内外の産業・社会インフラを支えるバッテリーメーカーとして、鉛蓄電池の高度なリサイクルシステムを通じて資源の有効活用を図るなど、循環型社会の実現に向けた事業を展開しています。 近年は「地球環境課題、社会課題を解決するビジネスの推進」をマテリアリティに掲げ、2023年度にSBT※1への参画を表明し、「2030年までの中期的温室効果ガス(GHG※2)排出削減目標」を設定してSBTi※3に承認されました。エナジーウィズおよびそのグループ会社はGHG排出削減に力強く取り組んでいます。 大量の電力を消費するバッテリー製造工場において、いかにして大容量の電力需要に対応しながら、再生可能エネルギー(以下、再エネ)を導入したのか。埼玉・名張の両事業所におけるオフサイトPPA※4導入の軌跡について、今康之 埼玉事業所長にお話を伺いました。
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課題
- 電力を大量消費するメーカーとして、地球環境保護へのさらなる貢献に向けた脱炭素施策の具現化
- 大容量の電力需要への対応と、脱炭素化に向けた再エネ調達が課題に
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解決策
- 自社設備投資不要で、再エネを調達できるオフサイトPPAの採用
- 複数パターンのシミュレーションを実施し、コストと環境価値のバランスを踏まえた導入計画を策定
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効果
- 埼玉・名張の両事業所へオフサイトPPAを利用した再エネ導入を実現
- 国内製造拠点全体で年間約7,400トンの温室効果ガス削減を見込み※5、SBT目標の達成に向けた取り組みを前進
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エナジーウィズ株式会社
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- 自動車電池事業本部 埼玉事業所 事業所長 今 康之様
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※1 SBT:パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のこと。
※2 GHG:Greenhouse Gas、温室効果ガスの略称。
※3 SBTi:CDP(国際 NGO)、UNGC(国連グローバルコンパクト)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4つの機関が共同で運営するSBT(企業が気候科学に基づき設定する温室効果ガス排出削減目標)の認定機関。
※4 オフサイトPPA:オフサイト型コーポレートPPAの略で、遠隔地の発電設備で発電した電力を、一般送配電事業者の送配電網を介して需要家へ供給する仕組みです。本件では、太陽光発電所で発電した電力をオフサイトPPAの仕組みにより対象施設へ供給し、発電量で不足する分については、株式会社エネットが調達する電力により補給します。太陽光発電由来の電力および補給電力には、再エネ指定の非化石証書を組み合わせることにより、実質的な再エネ価値を付与します。本電力供給は、NTTアノードエナジーグループの株式会社エネット(小売電気事業者登録番号:A0009)が行い、NTTアノードエナジーは取次店として提案・調整を行います。
※5:本試算は、スコープ2の算定に基づき、エネット令和8年報告用排出係数(0.000547 t-CO2/kWh)を適用し算出した参考値です。
課題
脱炭素の実現に向け、大容量の電力需要に対応を踏まえた再エネ調達が課題に
エナジーウィズ様は、バッテリーの製造・販売はもとより、顧客のCO2削減に貢献する製品・ソリューションを提供する企業として、自らの事業活動においても脱炭素を実践すべきという強い使命感とともに事業運営をしてこられました。そのような中、SBT認証取得の必要性が年々高まってきたため、2021年頃からGHG排出量の多くを占める「電力使用」の脱炭素化に向けた検討を開始。
しかし、バッテリー工場は組み立てた電池に充電を行い、蓄電池として使用できる状態に仕上げる工程があるため、製造工程で多くの電力を必要とし、そのため、大規模な再エネ導入には、乗り越えるべき課題がありました。
「導入検討を進めていた時期に、ウクライナ情勢等による供給不安・価格上昇などエネルギー情勢が不安定になっていました。そのため、新たな電力の調達にあたっては、再エネ電力に加え、不足分を補う電力も含めて工場の大容量需要に適した調達方法であることが譲れない条件となったのです。また、再生可能エネルギーは価格が高いという認識があったため、コスト面での調整も必要でした」と今様は振り返ります。
脱炭素化の必要性については経営陣も理解を示していましたが、将来の炭素賦課金が電気料金上昇リスクとして現れる可能性があり、電力使用量が大きいほど影響額も大きくなることも視野に入れ、「コストと導入比率のバランス」をどのように設定するかという中長期的な視点での検討が求められていました。
解決
設備投資不要の「オフサイトPPA」と、導入を支えた提案力
導入に伴うコストへの影響を検証するため、まずは電力単価が高かった埼玉事業所から検討を着手しました。当初は広大な工場の屋根への太陽光パネル設置も検討しましたが、建物の老朽化による強度不足や、特別高圧の受電設備への改修など、多額の初期費用がかかることが判明し足踏み状態に陥りました。
そうした中で、自社の設備投資を必要とせず、送配電網を通じて大容量の再生可能エネルギーを導入できる「オフサイトPPA」に着目しました。
導入の判断を後押ししたのは、大容量の需要に対応できる提案内容と、構想段階から導入後まで一貫して伴走する対応力でした。同分野に関する知見が少なかったエナジーウィズ様に対し、NTTアノードエナジーの担当者は疑問に丁寧かつ迅速に回答。大容量需要に対応するため、太陽光発電由来の電力と補給電力を組み合わせた供給スキームについて、取次店として一体的に提案・調整できる体制を活かし、コストと環境価値のバランスを踏まえた複数パターンのシミュレーションを作成し、実現可能な導入案を提示しました。こうした柔軟かつきめ細かな対応が、経営陣の判断を支えました。
比較検討を経て実感した、継続して任せられる信頼性
埼玉事業所でのオフサイトPPA導入決定後、2026年4月に電力切り替え時期を迎える名張事業所(三重県)でも再エネ導入の検討を開始。埼玉事業所での再エネ導入公表を機に、他メーカーや新電力からのアプローチも増加し、複数の選択肢を比較検討することとなりました。
サービス内容や価格、各社が提示する諸条件を比較検討した結果、エナジーウィズ様は、名張事業所についてもNTTアノードエナジーへ任せる方針を決定しました。
「決め手となったのは、大容量需要に対応するため、太陽光発電由来の電力と補給電力を組み合わせた供給スキームと、迅速なレスポンスです。複数の選択肢を比較検討する際にも、客観的な情報を踏まえて迅速に回答いただき、大変信頼が置けました。また、長期契約において、埼玉・名張両事業所の窓口を一本化できることによる管理面の安心感も高く評価しました」と今様は語ります。こうした評価に対し、NTTアノードエナジーは、お客様のニーズを踏まえた提案と対応を通じて、その信頼に応えました。
効果
SBT目標の達成に向け、継続的な提案とサポートに期待
オフサイトPPAの導入により、埼玉・名張の両事業所を合わせた国内製造拠点全体で、一定の算定条件に基づく試算では、年間約7,400トンの温室効果ガス削減を見込んでいます。今回の取り組みは、社内でも前向きに受け止められており、SDGsや脱炭素に向けた同社の姿勢を社内外へ示す取り組みの一つとなっています。 エナジーウィズ様は、2030年までにGHG排出量を2018年度比で50.4%削減するという高い目標(SBTi承認)を掲げています。
今様は今後の展望について次のように語ります。「日々の電力需要予測に関するサポートなど、これまでのきめ細やかな対応には大変満足しています。今後も当社の事業環境や目標に応じた柔軟な提案をいただきながら、脱炭素化への取り組みを共に推進していきたいと考えています」
NTTアノードエナジーは今後も、エナジーウィズ様の環境目標の達成を支えるパートナーとして、事業環境やニーズに応じた提案を行い、共に持続可能な社会の実現に貢献していきます。
※本記事の内容は2026年7月時点の情報です。
| 導入先 | エナジーウィズ株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都千代田区神田練塀町3 |
| 設立 | 2021年7月21日 |
| 事業内容 | 蓄電デバイスの製造及び販売並びにこれらに関するシステム・サービス事業 |