お客さまに寄り添う提案と技術で複数拠点のUPS無瞬断切替を実現

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課題
- 「停止が許されない」放送・通信機器用UPSの更改が複数のサブセンタで発生
- 限られたスペース内での円滑な工事実施
- 新旧UPSの切替回数を可能な限り少なくする
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解決策
- 電気通信サービスで培った無瞬断切替の採用
- 限られたスペースを有効活用しUPS更改する施工上の工夫
- 複数の供給先を1つにまとめ、切替回数を削減
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効果
- 複数拠点での無瞬断切替の実現によりサービス停止のリスク抑制
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株式会社キャッチネットワーク
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- 常務執行役員 ICTデザイン本部 本部長 河村哲男様
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課題
放送・情報通信事業における電源の重要性
愛知県西三河エリア(刈谷市、安城市、高浜市、知立市、碧南市、西尾市)でケーブルテレビ・インターネット・電話サービスなどを提供するキャッチネットワーク様。サービス利用世帯数は、18万7,423世帯(2024年3月末)、地域シェア率は62%にのぼります。
ニュース、バラエティ、スポーツ、地域の祭りや伝統文化など、地元の話題をお伝えするオリジナルコンテンツをはじめ、多彩な映像サービスをお届けするケーブルテレビ事業を核とし、インターネットや電話サービスなどを通して、地域の皆さまの暮らしをサポート。街の活性化と安全安心の街づくりへの貢献を目指しています。 情報通信サービスはもちろんのこと、放送設備においても24時間×365日稼働し続けることが基本です。
電源の重要性について、河村様はこう語ります。
「電源が途絶えたらケーブルテレビ放送も通信サービスも止まってしまうので、それらを支える電源設備は我々の事業を担う重要な要素の1つです。最近では総務省のガイドラインで、災害時に72時間は非常用電源を稼働させる等、外部からの電源供給なしでサービスが途絶えないように備える、といった指導もあります。停電時においてもサービスが持続できるよう、非常用発電機やそれを動かすための燃料まで備蓄して不測の事態に備えています」
寿命を迎えた設備をサービスを止めずに更改
電源の維持、確保の重要性がますます高まる中、2022年に安城、知立、碧南エリアのサブセンタに設置しているUPSが更改時期を迎えました。
「ケーブルテレビは24時間365日放送しており、深夜帯も含め、どの時間帯でも必ずご視聴になられているお客様がおられるので、設備更改であっても放送を停止するという訳にはいきません。通信サービスにおいても、特にサーバーの更改等は決められた手順で電源停止・起動をしないとデータが壊れたりして厄介です。また、問題なく稼働していた機器であっても電源停止~再起動したタイミングで急に動作しなくなる等のトラブルも想定する必要があり、いずれにしてもUPS更改に際しては、電源・設備の稼働を止めずに、が最優先事項です」
また、UPS切替時の課題は、それだけではありませんでした。
「今回、切替工事を予定していた拠点の中には、放送・通信設備以外の設置スペースに余裕がなかったため、それらの拠点では、新旧のUPSを同じ場所で入れ替えていただく必要がありました。
さらに、サービス停止リスクを極力抑えるために、切替回数をできる限り少なくすることも重要な要素でした。更改工事をお願いする企業を選定する上では、放送を止めることなく更改することが第一優先、さらには拠点固有の条件に合わせてスペースの有効活用やリスクの最小化を図りながらUPS更改を実現する技術力のある会社を検討していました。
そこで、これまで対象拠点の電源設備保守を担当していて、通信業界で培われた無瞬断切替の豊富な実績をもつNTTアノードエナジーに相談することとなりました」
解決策
お客さまの環境に合わせた施工方法を提案
採用する決め手となったのは、同社の提案内容です。
「NTTアノードエナジーからの提案では、無瞬断切替を前提に限られたスペースでの作業実施や、切替回数を少なくする工夫があり、採用を決定しました」と河村様。
「スペースの課題については、仮設機器を活用し既設UPSがあった場所に新しいUPSを設置する手法を提案していただきました。先に撤去した古いUPSを仮設機として有効活用しながら、新しいUPSを元のスペースに設置した後に切替作業を行うという方法です。手順は多くなるものの、この方法によって元の位置に新品のUPSを収めることができました。また、電源供給先が複数ある拠点では、供給先ごとに切替を行う必要がありましたが、仮設の分電盤を設けて供給先をまとめることで切替回数を削減してくれました。現場の条件を踏まえ、技術と工夫で我々の要望に応えてくれたのです」
お客様が注目したのは、施工技術だけではありません。
「実際の切替作業では、詳細で丁寧な作業手順書が示されたことに安心しました。 例えば、既設から仮設設備に切り替える手順書だけを見ても、ものすごく分厚い。何故かというと各工程でうまくいかなかった場合に振り出しに戻る工程まであらかじめ手順が決められていて、そういう点が非常にしっかりしているなと。 我々と同じ通信・放送といった止めることが許されないサービスに関わる人間として、とても共感しました。しかも弊社のサブセンタのUPSは0系と1系で冗長化しているので、全ての作業が「×2」(2倍)なのです。1カ所ずつ丁寧にやっていただき、それが5カ所……。かなりの長丁場で、集中力を維持するのも大変だったと思います」
無瞬断での電源切替については、
「電気の施工はプロに任せる方が良いと思っていましたが、NTTアノードエナジーで開発された『無瞬断切替装置』というのがあるのですね。1回線ずつ、交流電源を無停電で切り替える。そんな装置が実用化しているというのは素晴らしいと思います。電気通信設備に長年携わってきたNTTアノードエナジーだからこそできることだなと、今回改めて気づきました」と当時を振り返りました。

複数拠点で無瞬断切替を実施
今回の施工では、無瞬断切替に加えて拠点ごとの課題を施工の工夫と技術力で解決することができました。 「この建物ができて20数年。最初に建設した際の電源部分もNTTアノードエナジー(当時はNTTファシリティーズ)にお願いしたこともあり、お付き合いも長いです。電源周りは本社もサブセンタもお願いしています。勝手が分かっていますし、安心して頼めます。電電公社時代からの電源設備に関する運用ノウハウがあり、信頼して任せられますから」と河村様。
工事終了後、NTTアノードエナジーでUPSの点検・保守を継続的に行っているのはもちろんのこと、操作マニュアルの作成、周辺設備にトラブルが出た際の調査や対応検討等、お客様の電源設備周りを広範囲にわたりサポートさせていただいています。

今後の展開とNTTアノードエナジーへの期待
電源に関わる幅広い提案力
KATCHビジョン2030を掲げるキャッチネットワーク様。「2030年までにCO2排出量を半減させる」というグループ目標やSDGsの取り組みについても検討しています。今後の展望と NTTアノードエナジーへの期待については、 「CO2排出量の半減目標は簡単ではありませんが、メタル設備から光設備へのマイグレーション等で確実に排出量は減っています。ただ、そこから先のさらなる削減については自然エネルギーの活用など今までやってこなかったような取り組みが必要です。太陽光なども検討していますが、日照時間の割合とか、設置スペースの問題もあって劇的には変わらない。現場では電流監視装置なども導入して、どこが一番ピーク時間かを調査してそこをセーブしようとか、エネルギー管理についても議論しているところです。そういった分野でもNTTアノードエナジーの積極的な提案を期待しています」と語りました。
これまでの取り組みだけに留まらない、電源に関わるトータルな提案・解決力がお客様に期待されています。
会社名 | 株式会社キャッチネットワーク |
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本社所在地 | 愛知県刈谷市野田町大ヒゴ1番地 |
設立 | 1991年6月24日 |
資本金 | 24億3,750万円 |
事業内容 | 有線テレビジョン放送事業、電気通信事業、イベント事業など |